重要文化財-仏像-

仏像(ぶつぞう)

仏像を型押ししたタイル【方形三尊セン仏(ほうけいさんぞんせんぶつ)】

(写真)海会寺跡(かいえじあと)の方形三尊せん仏

長方形の粘土板の中央に、菩提樹(ぼだいじゅ)の下で椅子に座り瞑想(めいそう)する如来(にょらい)を表し、如来の両側に合掌(がっしょう)する脇侍菩薩(わきじぼさつ)と、かごを持ち散華(さんげ)する飛天(ひてん)が配されています。如来の上には大きな天蓋(てんがい)がかけられています。非常に繊細な表現を浮き彫りにしたもので、奈良県橘寺(たちばなでら)や川原寺(かわらでら)で使用されたセン仏を原型としてつくられたものと考えられます。そのため海会寺跡(かいえじあと)のものは原型のセン仏よりもひと回り小さくなっています。五重塔(ごじゅうのとう)の堂内壁面(へきめん)に飾られていたと考えられます。

高さ21センチ/7世紀後半

仏像を型押ししたタイル【独尊(どくそん)セン仏】

(写真)海会寺跡(かいえじあと)の独尊せん仏

甲冑(かっちゅう)に身を包(つつ)んだ天部(てんぶ)の姿が表されています。かぶとの違いや、髪をたばねたようす、背後の頭光(ずこう)などが、細くていねいに表現されています。表面には黒漆(くろうるし)が良く残っており、その上には金箔(きんぱく)もわずかに残っています。

高さ6センチ/7世紀後半

粘土でできた仏像【土製如来坐像(どせいにょらいざぞう)】

(写真)海会寺跡(かいえじあと)の土製如来坐像(どせいにょらいざぞう)

手のひらに乗るほどの小さな仏像ですが、背中まできちんとつくられています。定印(じょういん)をくみ瞑想(めいそう)する如来(にょらい)像で、身に着ける衲衣(のうえ)の流れるようなひだや、指先などが非常に細かく表現されています。表面には漆が残っていることから、本来は全体に金箔が押してあったと考えられます。
この仏像は表裏ともに型を用いてつくられていますが、このような土製の仏像は全国でも海会寺跡(かいえじあと)でしか見つかっていません。複数見つかっていることから、本尊(ほんぞん)の光背(こうはい)に取り付けられた化仏(けぶつ)でなはいかと考えられます。

高さ10センチ/7世紀後半

木と粘土でできた仏像【塑像(そぞう)】

(写真)海会寺跡(かいえじあと)の塑像(そぞう)

塔基壇(きだん)の上面やその周辺から、数多くの塑像(そぞう)が見つかりました。塑像とは木芯に粘土を塗り重ねてつくられた仏像です。全体の形がわかるものはありませんが、たくましい天部像の腕や、流れるように表現された衲衣(のうえ)などが確認でき、華やかな堂内のようすが思い浮かびます。

7世紀後半

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