畦の谷の地蔵尊(あぜのたにのじぞうそん)

泉南市新家 

新家(しんげ)地区の山中にある「畦の谷地蔵尊」(あぜのたにじぞうそん)は、和歌山県根来寺(ねごろでら)の僧が人々の病気平癒(へいゆ)を願い、「地蔵尊」を刻み込んだと伝えられています。
根来寺は新家地域を領地にしていたこともあり、両者の関係は深く、記録によると大水や大旱魃(かんばつ)があると救援のために食糧や使者を送り、同時に根来寺では雨乞いなどの祈祷(きとう)がおこなわれました。このように深い結びつきがあったため、豊臣秀吉の根来寺攻略の時には新家地域も巻き込まれたのでしょう。
中世から近世にかけて、一帯は大水、旱魃、戦さが繰り返しあり、それらに伴う病の流行は人々の生活を本当に苦しめたものであったと思われます。それらの苦しみが少しでもかるくなるようにと刻み込まれた「地蔵尊」には非常に大きな願いが込められていたのでしょう。だからこそ、現在まで「畦の谷地蔵尊」には立派なお堂が建てられ、人々によって大切にまつられているのです。

(写真)畔の谷地蔵尊(あぜのたにじぞうそん)

「畦の谷」の由来は、谷の岩が常に湿り、汗をかいているようであったため「汗の谷」と呼ばれるようになり、それがいつしか「畦の谷」と呼ばれるようになったとされています。現在も「畦の谷」は木々が茂り、岩肌を見ると本当に汗をかいているように、湿っています。

地図情報

この記事に関するお問い合わせ先

泉南市埋蔵文化財センター
〒590-0505大阪府泉南市信達大苗代374番地の4
電話番号:072-483-6789
ファックス番号:072-483-7306​​​​​​​
e-mail:maibun@city.sennan.lg.jp

お問い合わせはこちらから