広報せんなん2月号特集記事(完全版)

広報せんなん2月号<インタビュー>

広報せんなん2月号では、ええもんせんなんもんプレミアム2023の認定事業者であり、ふるさと納税の返礼品を出品していただいている株式会社ウエノさんを特集しました。
「泉州美人」を生み出した秘密を探るべくお話を伺いました。

上野さん工場

泉州タオルの歴史

歴史的でいうと、明治時代にイギリスやドイツ、ヨーロッパの方からタオルは輸入されました。それまではタオルがなく、手ぬぐいでした。当時は一般の方が手に取ることができないような高級品でしたので、当然、量産もできませんでした。ただ、このあたりは綿花の栽培地だったので、原料はとれていたと聞いています。綿花の栽培地であることと、タオルが輸入されたタイミングで佐野村(現在の泉佐野市)で里井圓次郎(さといえんじろう)がタオルを生産できる織機を作ったことが泉州タオルの始まりです。

泉州タオルの魅力

当然タオルとしての品質というところでは、吸水性であったり、風合いであったり、モノによってさまざまですけど、自信をもって「いいタオル」であると言えます。高額なわけではないので、日本だけではなく、海外の方にも身近に感じてもらえるタオルでありたいと思っています。気が付いたら「泉州タオルばっかり使ってるな」と思ってもらえるタオルになりたいですし、なれる可能性があると思っています。

今治タオルとの違いは

製造工程が異なります。泉州タオルは後染め、後ざらしになります。生地を織ったあと、最後に一度洗い、染色もその時にします。エネルギーコストで言うと、一度で済むので、効率がいいです。水に浸かっているいる時間が長いので、吸水性が高くなります。そういった点において、SDGsと言われてる昨今では泉州タオルに優位性はあると思っています。

泉州美人

創業のきっかけ

祖父の代から続いており、私で3代目になります。祖父はもともと国営だった日本郵政で働いていました。祖父の兄たちが綿織物業を営んでおり、自分もなにかしたいと思い、当時盛んであった綿織物で、兄たちとは違うモノということでタオルを選んだと聞いています。

(祖父の)お兄さんたちはなにを作っていたんですか

綿布なので、今でいうシーツやケットになります。タオルは立体のパイルがあるんですけど、そうではなくてフラットな生地を縦横に編み込む織物です。タオルはその作業にプラスして、パイルがあるので織機の仕様が異なります。

経営理念

初代から50年以上営んでいるので、当然時代も違います。織機も進化しています。
それだけではなく、グローバルになっているのは間違いないので、勝負する相手は海外のメーカーになると思います。時代の流れとともに、国内で生産していたものが、中国や海外に生産拠点が移っています。それが日本へ輸入されて、今までの流通に乗っていくというコスト重視で生産拠点が移っていきます。
そのなかで、我々のようなメーカーの立ち位置は強いと思っています。今も変わらないですが、父の時代は中国製品が輸入されていた時代で、国産の強みを考えると自社で生産していいものを作る能力、「この会社で作る製品はクオリティが高いよね」って思われる立ち位置を確立しないと残っていけないと思っています。
私が入ったタイミングがちょうど7、8年前ですかね。やっぱり生産がまだまだ弱かったので、そこから設備投資をしたり、いろいろな素材を扱うようにしました。
そこで泉州美人も生まれました。経営的な部分っていうのはもちろんありますが、製造業をしている以上は、既存のものを仕入れているわけではないので、「生み出す力を磨く」というのは当時から今も変わらない経営理念です。

学校を卒業してすぐに入社したのですか

違う業種の仕事をしていました。現場をベースで仕事をした方がいいと言われたことがあって、モノづくりをするうえで「現場を知っている代表にならないと」と思ったんです。

会社を継ぐきっかけ

いずれ継ぐ気持ちはありました。その中できっかけになったのは会社を継ぐことで自分だけでなく、家族や従業員も幸せにできると思ったからです。限られた時間で、なにができるか考えたんです。決して楽な道だとは思ってませんでした。周りの人からも会社を継ぐことの楽しさや苦労、アドバイスを聞いたうえで決めました。

従業員は何人くらいいてますか

パートさんも含めて約30人です。私が面接した方も多くいます。約20年間働いてくれている方もいます。

原動力

これは2つあります。一つは、自分がやることによって会社がより良くなって、従業員が安心して働く環境を築ければいいなと思っています。私もいろいろな人と関わって、自分自身も周りの人も一緒に成長できたらと思っています。
もう一つは、株式会社ウエノという会社が認知されて、泉州タオル産地自体が活性化できるような起爆剤になればと思っています。
自分から行動することで、変化を起こすことができると思っています。
行動し続けることで、会社も自分自身も周りの人も成長できることが、原動力になっています。

上野専務インタビュー

大変だったこと・苦労したこと

やらなくてはいけないことは必死になるので、苦労だと思ったことはないです。
タオルを作るための設備投資とモノを生み出して利益をあげるバランスがあるので、そこは大変ですね。まだまだ途中ですけど、どんどん商品開発をしていきたいですね。

お忙しいですね。休日はどう過ごされていますか

地域のイベントに出ています。

泉南市ではBaton(ロングパークでのイベント)にも出店していただいていますね

製造業に携わっていると地域の人との関わりが少ないですが、地場産業として地域に根差したいという想いから、地域のイベントに出店したり、ふるさと納税の返礼品に出品したりしています。
それがきっかけでつながりができ、成長できる機会にも恵まれました。

将来のビジョン

この会社で働き続けるということは変わらないです。私がこれまで話してきたことを実現できたときに「いいタオルが地元にあるやん」と思ってもらえるようになりたいです。地元で雇用を生んで、泉州地域がさらに発展できればと思っています。そういう会社が泉南市に増えてくれたら、会社にとっても市にとってもプラスになると思います。そうやって泉州地域を盛り上げていきたいですね。

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