幡代遺跡(はたしろいせき)

(写真)幡代遺跡の中世集落(はたしろいせきのちゅうせいしゅうらく)

泉南市幡代周辺

男里(おのさと)川の上流、金熊寺(きんゆうじ)川のほとりにある幡代(はたしろ)遺跡では中世から近世にかけて大きく発展した遺跡です。13世紀代の掘立柱建物(ほったてばしらたてもの)が建ちならぶ集落の様子や、集落が無くなった後に作られた石組みの井戸などが見つかっています。中世後半から近世以降になると、現在の集落付近に人々が暮らしたものと考えられ、廃棄土坑(はいきどこう)と呼ばれる遺構から当時の日用品が大量に出土しています。

(写真)幡代(はたしろ)遺跡の土製円盤

ここでは近世の珍しい遺物をご紹介しましょう。ひとつは瓦を割ってつくった直径5センチメートルほどの丸い円盤のようなもので、同じような円盤がたくさん見つかりました。実はこれと同じような円盤は全国各地で、しかも幅広い時代の遺跡から見つかっています。しかし不思議なことに使いみちがはっきりとはわかっていません。おまつりに使ったものであるとか漁に使うおもり、はたまた子供の遊び道具であるとかいろいろな説があります。瓦や土器を丸く割っただけの簡単なものですが、そのほとんどが同じような大きさであることに意味があるはずです。

(イラスト)幡代(はたしろ)遺跡のとうろ

もう一つは、砂糖の精製(せいせい)に使われた土器です。いっしょに見つかった遺物から江戸時代の終わり頃のものと考えられるものです。当時の絵の中にも、砂糖づくりの道具として同じような土器が描かれたものがあります。
そのころの資料を調べてみると当時、泉南市内の幡代や男里周辺では盛んに砂糖づくりが行われていたこともわかってきました。どうやら砂糖は泉州の特産品であったようで、このような土器は幡代遺跡で見つかって以降、泉州各地での発見が相次いでいます。

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