岡田西遺跡(おかだにしいせき)

中世から続く伝統的な水田地帯

(写真)岡田西遺跡の発掘調査

信達市場(しんだちいちば)から岡田へと続く道路の建設に先立って、大規模な発掘調査が行われました。全面にわたって耕作の痕跡(こんせき)=遺構(いこう)が確認され、現代へとつづく、耕作地の様子が明らかとなりました。写真は海側から撮影したものですが、白線で囲んだ遺構と現代のあぜの方向がほぼ一致していることがわかります。
地盤がかたく耕作地としての開発が困難であった地域に、大規模な水路を掘りあげることで水を引き込み、一気に水田へと作りかえたことが明らかとなりました。出土した遺物には平安時代の終わりころから鎌倉時代にかけてのものが多く含まれていたことから、中世のはじまりとともに水田開発が行われたと考えられます。以来、現代まで伝統的に水田や畑として利用されてきたのです。

(写真)岡田西(おかだにし)遺跡の有舌尖頭器(ゆうぜつせんとうき)

中世よりさらに古い時代の遺物も出土しています。なかでも最古のものとして縄文(じょうもん)時代の石器が発見されました。有舌尖頭器(ゆうぜつせんとうき)と呼ばれる「ヤリ先」で、「サヌカイト」という石をていねいに割って作られています。長さ7センチメートルほどの製品ですが、ヤリの柄(え)に差し込むためのでっぱりもそなわっています。サヌカイトは加工しやすく、割り口が非常に鋭くなる特長を持っているため、石器の材料として古くより利用されてきました。石の長所を知ったうえで、わざわざ産地から石材を運んできたのでしょう。
ところで、このヤリ先の持ち主はどこで暮らしていたのでしょうか。彼らが暮らした集落もどこかに眠っているはずですが、残念ながらはっきりとはわかってはいません。このような縄文時代のヤリ先は金熊寺(きんゆうじ)川流域の滑瀬(なめんじょ)遺跡などでも見つかっています。

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