氏の松遺跡(うじのまついせき)

 樫井川(かしいがわ)流域の氏の松(うじのまつ)遺跡では、泉州地域ではあまり例のない弥生時代初めごろの集落が見つかりました。
 調査では隣りあう5棟の掘立柱(ほったてばしら)建物が確認され、出土した土器から、今からおよそ二千数百年前に営まれたものであることがわかりました。さらに詳しく調べていくと、大きな特徴をいくつも持つ集落であることがわかってきました。
 まず氏の松遺跡からは縄文(じょうもん)土器が全く見つかりません。一般にこのころの集落遺跡では、縄文時代の名残(なごり)が多少なりとも確認されるのですが、氏の松遺跡ではそれが全く見当たらないのです。
 また出土した土器は、瀬戸内(せとうち)地方の土器と同じ特徴を持つものが多くありました。竪穴建物(たてあなたてもの)を持たず、掘立柱(ほったてばしら)建物だけで構成されるムラであることも、大きな特徴の一つです。
 これらのことから、氏の松遺跡は瀬戸内海を越えて渡ってきた人々によって営(いとな)まれた集落である可能性が高く、この地に新しい時代の到来を告げるものであったと考えられるのです。しかしながら氏の松遺跡の集落は短期間でその役目を終えており、その後の彼らがどこへ向かったのか今のところはわかっていません。

(写真)氏の松(うじのまつ)遺跡の掘立柱建物(ほったてばしらたてもの)

赤線の範囲が掘立柱建物跡

(写真)氏の松(うじのまつ)遺跡の弥生土器

弥生時代初めころの土器

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