天神ノ森遺跡(てんじんのもりいせき)

(写真)天神ノ森(てんじんのもり)遺跡
(写真)天神ノ森(てんじんのもり)遺跡の須恵器(すえき)大甕(おおかめ)

昭和9(1934)年、各地に多くの被害をもたらした室戸(むろと)台風のときのこと。
男里(おのさと)川の河口近くにある「天神ノ森」(てんじんのもり)で松の大木が強風によって倒れました。森の東南隅にて倒れた松の木をおこしてみると、地表から3メートルも下の砂の中から大きな須恵器(すえき)の水甕(かめ)が現れました。高さ約52センチ、最大径約50センチを測る大変立派なもので、古墳時代の後半、6世紀初めから前半ころのものと考えられます。砂中より単独で発見されたことから、どうも人々の生活のなかで使用されていたものとは少し様子が異なるようです。

天神ノ森遺跡と同じように、大阪湾沿岸の砂丘上の遺跡では大甕などの遺物が単独で発見される例が知られています。何らかの特別な意味を持つものとして、たとえば境界をしめす目印、または祭祀に用いられたものではなどと考えられています。

天神ノ森遺跡の大甕もそのようなものの一つとして考えることができるでしょう。古墳時代、海岸線にほど近い砂丘であった「天神ノ森」で、航海の安全や豊漁を願い、海のカミに祈りをささげたものなのかも知れません。

今も天神ノ森には男神社(おのじんじゃ)末社である浜の宮神社や「神武天皇聖蹟雄水門顕彰碑(じんむてんのうせいせきおのみなとけんしょうひ)」などをみることができます。発見された大甕は男神社の所有となり、大切に保管されています。

地図情報

この記事に関するお問い合わせ先

泉南市埋蔵文化財センター
〒590-0505大阪府泉南市信達大苗代374番地の4
電話番号:072-483-6789
ファックス番号:072-483-7306​​​​​​​
e-mail:maibun@city.sennan.lg.jp

お問い合わせはこちらから