光平寺の石造五輪塔(こうへいじのせきぞうごりんとう)

泉南市男里

 男里(おのさと)、光平寺(こうへいじ)境内に和泉砂岩でつくられた五輪塔(ごりんとう)が建っています。
 五輪塔とは仏塔のひとつで、形の違った五つの部分によって構成されています。上から「空輪(くうりん)」「風輪(ふうりん)」「火輪(かりん)」「水輪(すいりん)」「地輪(ちりん)」と呼ばれ、それぞれ仏教における万物(ばんぶつ)を構成する要素をあらわしています。一般に供養塔(くようとう)や墓標(ぼひょう)として造立(ぞうりゅう)されることが多く、平安時代おわり頃から江戸時代頃までつくられていました。
また五輪塔の素材としては木・土・瓦・水晶・金属および石などがあり、様々な素材によってつくられるのは、有力者から一般民衆にいたる、幅広い人々に五輪塔造立の習慣が普及していたためです。

(写真)光平寺(こうへいじ)の石造五輪塔

 光平寺の五輪塔の地輪の左右には、『正平(しょうへい)二十四年十月十三日』、『為法界衆生願主?圓』と刻まれ、南北朝時代の正平24(1369)年に、「?圓」という人が、縁なき多くの人々の供養塔として建てたことがわかります。ちょうどこの時期、泉南地域でも南朝(なんちょう)と北朝(ほくちょう)の争(あらそ)いが激しく、ここにはそのような混乱の世に生きる人々の思いが込められているのではないでしょうか。
光平寺の石造五輪塔は、泉南の歴史を知るうえで貴重な文化財であるとして1977年3月31日に大阪府指定建造物に指定されています。

大阪府指定建造物

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