南門と築地

(写真)南門と築地(東より)
(写真)地鎮遺構(じちんいこう)

海会寺の南端、正面入口には南門(なんもん)と築地(ついじ)と呼ばれる塀(へい)が建てられていました。左上の写真で赤線が基壇(きだん)の範囲、白線は南門の柱位置を表しています。築地は南門を中心として東西に約109メートル伸びていたと復元されます。
南門基壇の下からは(写真の三角印の位置)、土地の神をまつる地鎮(じちん)の遺構(いこう)が見つかりました。穴の中には軒丸瓦(のきまるかわら)や熨斗(のし)瓦、河原石など、多くのものがおさめられていました。

(イラスト)建物の主軸のずれ

海会寺の建物の向き(主軸)には、金堂や塔・回廊と講堂・南門の二つのグループが認められ、講堂や南門の向きは、金堂や塔などにくらべて4度西に振れています。
一般に何十年という長い時間をかけて建てられる古代寺院、中でも海会寺の場合、発掘調査によって講堂や南門は金堂や塔より遅れて建てられたことがわかっています。工事の途中で設計の変更などがあったのかもしれません。
このように寺院の建物が異なった向きで建てられた例は、わが国最初の本格的な寺院である飛鳥寺でも確認されており、寺院建立のようすを知る上で非常に興味深いものといえるでしょう。

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