重要文化財-鴟尾・せん-

鴟尾(しび)

屋根頂上のかざり【鴟尾(しび)】

(写真)海会寺跡(かいえじあと)の鴟尾(しび)

金堂や講堂の大棟(おおむね)の両端に取り付けられた飾りで、もとは棟に積まれた熨斗瓦(のしがわら)が、端に行くに従い反りかえる様子を表したものだと考えられています。その形から奈良時代には「沓形(くつがた)」などと呼ばれていました。

下段中央幅26センチ/7世紀中頃〜後半

(イラスト)鴟尾(しび)復元イラスト

海会寺跡(かいえじあと)の鴟尾(しび)を復元したものです。今は破片となっていますが、全体では高さ1メートルを超える大きなものでした。
鴟尾(しび)も時代によって形やデザインが変化しますが、海会寺(かいえじ)のものは7世紀中頃〜後半のものとしては、少し古いタイプのデザインとなっています。

せん

金堂や塔に使われたタイル【せん】

(写真)海会寺跡(かいえじあと)のせん

金堂や塔基壇の周辺で多くの「せん」が見つかりました。現代のタイルと同じように床に敷いて使用したものでしょう。いくつかのタイプに分かれますが、横から見た断面が「逆L字」形になるものが多くあり、建物の基壇(きだん)や須弥壇(しゅみだん)の端にかぶせて使用したものと考えられます。

右前長さ47センチ・幅20センチ/7世紀中頃〜後半

組み合う凹凸を持つタイル【ほぞ穴を持つせん】

(写真)ほぞ穴を持つせん

「せん」の中には、隣り合う「せん」同士がきっちりとつなぎ合わさるように、凹凸を持つものが含まれています。「せん」にこのような細工を施した例はあまり見られず、海会寺(かいえじ)独自の工夫と言うことが出来ます。

厚さ6センチ/7世紀後半

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